銅と真鍮の違いを完全整理|成分・強度・用途から失敗しない材料選定ガイド
銅 真鍮 違いを正しく理解していないと、強度不足・加工トラブル・コスト増加といった実務上の問題につながります。
本記事では、成分・物性・加工性・用途の観点から、銅と真鍮の違いを体系的に解説します。
銅と真鍮の基本的な違いとは
銅とはどのような金属か
銅は純度の高い金属材料で、電気伝導性・熱伝導性に極めて優れています。
電線、バスバー、放熱部品など、エネルギーを効率よく伝える用途で不可欠な存在です。
工業規格としてはJIS H 3100などで純銅や銅合金が定義されており、成分や物性が明確に管理されています。
銅の規格体系についてはJISで解説されています。
真鍮とはどのような金属か
真鍮は銅を主成分に亜鉛を添加した銅合金です。
亜鉛を加えることで、銅単体よりも強度・切削性・耐摩耗性が向上します。
黄銅とも呼ばれ、機械部品・継手・装飾部品など幅広い分野で使用されています。
銅と真鍮の違いを一言で整理すると
銅は「伝える材料」、真鍮は「加工して使う材料」と整理すると理解しやすくなります。
以下の表で基本的な違いを確認しましょう。
| 項目 | 銅 | 真鍮 |
|---|---|---|
| 主成分 | 銅(Cu) | 銅+亜鉛 |
| 電気伝導性 | 非常に高い | 低い |
| 強度 | 低め | 銅より高い |
| 加工性 | 粘りがあり難しい | 切削性が良好 |
成分構成による物性の違い
銅の成分と特性
純銅はほぼ100%が銅元素で構成されます。
この高純度構造により、以下のような特性を持ちます。
- 電気抵抗が非常に小さい
- 熱伝導率が高い
- 展延性が高く曲げ加工に強い
一方で、柔らかく摩耗や変形に弱いという欠点もあります。
真鍮の成分と特性
真鍮は亜鉛含有量によって性質が変化します。
亜鉛量が増えるほど強度は上がりますが、延性は低下します。
代表的な特徴は以下の通りです。
- 切削加工がしやすい
- 耐摩耗性が向上
- 適度な強度と靭性のバランス
強度・硬さ・耐久性の違い
引張強度・硬度の比較
銅 真鍮 違いが最も顕著に表れるのが強度です。
一般的に真鍮は銅の1.5〜2倍程度の引張強度を持ちます。
| 材料 | 引張強度(目安) | 硬度 |
|---|---|---|
| 純銅 | 200MPa前後 | 低い |
| 真鍮 | 350〜500MPa | 中程度 |
強度重視の部品では、真鍮が選ばれる理由がここにあります。
銅合金全体の分類については銅合金の種類に関して解説で詳しく解説しています。
耐摩耗性・寿命への影響
摺動部や繰り返し荷重がかかる箇所では、真鍮の方が長寿命になります。
銅は摩耗が進みやすく、寸法安定性を保ちにくい点に注意が必要です。
加工性・製造現場での違い
切削加工のしやすさ
真鍮は切粉が分断されやすく、工具摩耗が少ないため、量産加工に向いています。
一方、銅は粘りが強く、工具に絡みやすい特性があります。
曲げ・塑性加工の違い
銅は延性が高く、曲げや塑性加工に適しています。
電極や板材加工では銅が有利です。
真鍮は割れにくい範囲での加工条件設定が重要になります。
用途別に見る銅と真鍮の使い分け
銅が選ばれる代表的な用途
- 電線・導体・端子
- 放熱板・ヒートシンク
- 電極部品
真鍮が選ばれる代表的な用途
- 機械部品・シャフト
- バルブ・継手
- 装飾金物・建築金物
用途選定を誤るとコストや性能に大きく影響します。
規格・信頼性の観点から見る違い
銅および真鍮はJIS規格で厳密に管理されています。
材質選定時には規格番号・成分範囲を必ず確認することが重要です。
よくある質問
まとめ|銅と真鍮の違いを理解すると材料選定は失敗しない
銅 真鍮 違いは、成分・強度・加工性・用途のすべてに明確な差があります。
伝導性重視なら銅、強度と加工性重視なら真鍮という基本原則を押さえることで、
設計・加工・調達すべての工程で失敗を防ぐことができます。
本記事の内容を参考に、用途に最適な材料選定を行ってください。